BUNT設立にあたって
- BUNT LLC.
- 2017年10月6日
- 読了時間: 5分
更新日:2024年1月10日
人間だいたい40年働くとして、20年サラリーマンをやったら後の20年は自由に生きていきたい。
若い頃からなんとなく、なんの根拠もなく、そんな未来を夢想してきました。
「自由」という言葉の本質はまったく理解できていませんでしたが、いろいろな経験や出会い、そして別れを経て、自分にとってサラリーマンは植木等が歌ったほどに“気楽な稼業”ではないということに薄々気づき、次第に「不自由」な状態からの逃避願望が募っていきました。
「自由に生きていく」とはどういうことかがようやく理解できるようになったのは、二人の子どもを授かった頃でした。
子どもたちと過ごす時間、とりわけ保育園の送り迎えが一日で最も人間的かつ充実した時間であり、人を育てることこそが自分にできる最も大きな社会貢献だということを悟ってしまったのがキッカケでした。
そして社会人になってちょうど20年目の秋、自分のやりたいことをやりたいようにやるために、本当に大事なことに時間を使うために、私はサラリーマンを卒業しました。
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本音では、専業主夫になります。と高らかに宣言したかったのですが、一つだけしくじったことがあります。
それは、不労所得を得るための資産形成を怠ったこと。『金持ち父さん貧乏父さん』をもっと若い頃に読んでいれば・・・と悔やまれますが、そもそも金融にまったく興味がなかったので仕方ありません。
家のローンがたくさん残っています。子どもたちの養育費も必要です。老後に妻と旅行に行くお金を貯めておきたいですし、親の介護費用も貯めていかねばなりません。ということで、自由に生きていくフリをしながら自宅でこっそり仕事をすることにしました。
働くことは嫌いではありません。意外に思われるかもしれませんが、人の役に立つのはむしろ好きな方です。会社員ですと理不尽な局面に立たされるたびに「自分は何のために働いているのか」と自問自答モードがすぐに発動するわけですが、今となっては働く目的も実にクリアです。
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ところで世の中は働き方改革ブーム真っ盛りですが、良いことばかりでもないと思っています。とくにマーケティング・コミュニケーション領域のような労働集約型&残業依存型の職種では、労働時間の短縮=アウトプット量と質の低下→売上減→収入源につながりかねません。コスト削減はいずれ限界を迎えますので、やはり売上を増やさないと収入も上がっていかないわけです。
「売上=客数×単価」というのはよく知られた公式ですが、成約率が一定の確率を超えないことを前提とした場合、客数を増やすにはとにかく訪問回数を増やすしかありません。一方、単価を上げるには良質なアウトプットを続けて信頼を獲得し、価格決定権を握ることが必要になるでしょう。いずれの道も「残業=悪」という時代に、限られた時間の中で達成するのは非常に困難な課題と思われます。
これを解決する手段のひとつとして、「アウトソーシング」があります。 限られた時間をアウトソーシングによって拡張し、アウトプットの質・量をキープする。これからの時代、会社から評価される人材になるためには、確度の高いアウトソーシング先を確保することも要件の一つになってくるのではないでしょうか。
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私の主なキャリアは、クリエイティブプロダクションでのプロデュース / ディレクション職と大手食品グループでのプランニング職の2つ。(他にもいろいろやっていますが、仕事の内容はだいたい上記2つに集約されます。)世間に名の知れた大企業を多数含む、およそ100社にのぼる現場の仕事を間近で見る機会に恵まれ、クリエイティブ制作の知見・営業の技術・プランナー的な思考を磨いてきました。このちょっと珍しい職歴と経験と小手先の技術で、「確度の高いアウトソーシング先」のひとつになれたら、そして今までお世話になった方々に恩返しができれば。と考えています。個人事業主ではなく法人にしたのは、そのほうが決意表明みたいでカッコイイかな?と思ったからで、とくに理由はありません。
デザイナーやライターのように、「**ができます」とひとことで表現できれば分かりやすいのですが、ちょっと難しかったので「送りバントします」というコンセプトを考えました。
野球に興味のない方には意味不明でしょうが、ランナー(=お客様)を一塁から二塁へ、二塁から三塁へ、ひとつだけ進める仕事をします。という意味です。また、あくまでも出塁するのはお客様自身の仕事ですよ、なるべくノーアウト・ノーストライクの状態でご依頼くださいね、という裏の意味も込めています。我ながらなかなかよくできたコンセプトです。
※「ホームに還す仕事はしないんですか?」とたまに聞かれますが、そういう大仕事は電通や博報堂がやりますので、私がやらなくてもいいのです。

コンセプトが送りバントですから、社名も「送りバント」にしようと思っていたら、すでに新宿に「株式会社おくりバント」という会社がありました。HPには「得点圏まであなたを」というキャッチフレーズが。「ひとつ先の塁へ」の当社ともろにカブっています。
人類初のアイデアなどない。というのは本当でした。
これを教訓に、今後も謙虚に努力を続けていきたいと思います。私の送りバントが、皆様の業務時間拡張およびアウトプット向上の一助になれば幸いです。
なお平日17時以降および休日は営業しておりません。また送りバントの成功率が著しく低下する競合コンペへの協力もお断りしております。悪しからずご理解賜りますようお願い申し上げます。
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